キーパーあれこれ

今回はスクールがお盆休みなので、

①トレーニングで思うこと

②育成年代のキックについて

③GKの勉強方法

この3つに触れたいと思います。

今まで書く時間がなかったので、この機会にあれこれ書いてます。

それでは、暇つぶしにどうぞ!

 

①トレーニングで思うこと

[1]プレー回数について

[2]選手を怒ること

[3]上手くなるには・・・

[1]前々から思っていましたし、自分の師匠も常々言っていましたが、「話が長い」というのは弊害しかないなと思います。最近になって、話をまとめる・喋るのを我慢するという感覚が分かってきて、それで選手が伸びたという実感があります。

今は基本的にプレー回数至上主義というスタンスです。なによりも回数が大事と考えています。

先回りして、答えを言わない。

プレーはプレーすることでしか改善しません。たくさんプレーして、たくさん成功・失敗を経験して、そこから学ぶこと(体感する)が一番大事です。たくさんプレーした方がたくさん上手くなる。

スタッフと話をするときは内容よりも、プレー回数・トレーニングのテンポについて話すことが多くなった気がします。

大人の話を選手が聞かないときは、

1 話が長い

2 話がつまらない

のどちらかしかないと思っています。楽しい楽しーいサッカーをやりにきているので、大人が極力喋らない。コーチの話を聞きにきているわけではなく、プレーしにきている。これほんと大事です。

だから、集中が切れているなと思ったら、「まずい!話が長かった。」と考えています。「話を聞け!」ではなく、まず自分を疑います。

大人が話す時間を1秒でも削って、1秒でも長く選手にプレーさせたほうが、選手のためになると思っています。

[2]選手を怒ること

たまに、チームやスクールを見にいくのですが、「プレーに関して怒る」っていうのを見かけます。

選手は頑張ってるから、別に怒らなくても・・・と思ってしまいます。今は下手でも、上手くなりに来てて、その選手なりに全力でプレーしてるだから、そこを怒るようなことはやめようといつも思います。

怒れば、萎縮してしまって、のびのびプレー出来ないですよね。これで上手くなれというのは無茶な話です。

ただ、僕はプレー以外(オフ・ザ・ピッチ)はめちゃくちゃ怒ります。周りに迷惑をかけるような事、危ない事、取り組む姿勢などですね。それはスタッフにも徹底してもらっています。

「君からサッカー取ったら、何が残るの?」と考えます。

サッカーができなくなった時、人間的にダメな人って思われたらどうすんの?と。

良いサッカー選手である前に、良い人間であれ

育成年代の子供に関わる大人として、忘れないようにしています。

[3]上手くなるには・・・

プロテクターを付けましょう。

こういったトレーニングをした方が良いです、という話ではありません。

キーパーが上手くならない要因は「痛い」と「怖い」です。

トレーニングをすれば誰だって上手くなります。どんなトレーニングをしても上手くなります。GKコーチによってトレーニングが効果的かどうか、という話にはなりますが。

痛いと感じないこと、怪我をしないことが上手くなる秘訣です。

フィールドプレイヤーと違って、ゴールキーパーは身体を倒すという動作があります。「痛くない」と選手が言ったとしても、ダメージは蓄積します。そうなるとたくさんプレーした時に、いつか怪我をします。うちはたくさんのプレー回数を求めるので、横に倒れる回数も多くなります。その中で一回でも着地の時に「痛い」と感じれば、もう激しいプレーは出来ないでしょう。次のプレーで頭によぎります。

倒れる時、身体を守るために無意識に身体は強張ります。これは反射なので仕方ないです。

ダメージを軽減するためには、プロテクターが必要です。

痛いと思わなければ、ダイナミックなプレーを勝手にやります。個人的には、動きづらくても、怪我をするよりはマシだと思っています。

ダイビング中心のトレーニングを予定している時は「来週ダイビングするからプロテクター絶対着けて。」と伝えます。高負荷のトレーニングをしなければ、GKは伸びません。ゆっくり、近いボールだけトレーニングしても守れる範囲は広がりません。

その点、プロのゴールキーパーは身体を守るという意識は強いと思います。トレーニング動画はよく見るのですが、天然芝でもロングパンツを履いているのをみかけます。肘、膝など地面に接地する場所は守っているという印象です。

痛いと感じなければ、選手はたくさんプレーできます。そうすれば勝手に上手くてなります。

上手くなるにはプロテクターを付けましょう。

 

②育成年代のキックについて

「キックが蹴れません・飛びません」

小学生、中学生くらいまではよく聞く話ですね。

東京ゴールキーパースクールでは、キックをやりません。

広さの問題でもありますし、「今」必要なことではない考えています。

選手も、親御さんも悩んでるとは思いますが、筋力がつけば飛ぶようになります。心配いりません。

ゴールキックはチームの蹴れる選手に蹴ってもらえればいいですし、つないだらダメなんですか?といつも思います。

もちろん、「ボールが蹴れる」というのはディストリビューションの能力として必要です。

ですが、

「ゴールを守る」ことがGKの役割なので、シュートストッパーとしての能力を磨くことを最重要視していますし、それをスクールでは取り組んでいます。育成年代では大事だと思っているので。

何かを求めることは、何かを削るということです。

攻撃的なGKになる為に時間を割くということは、絶対的な守護神になる時間を削るということです。

チームが苦しい時に、キックとシュートストップどちらが必要とされているか、という話ですね!

キックが上手くても、シュートが止められなければ、試合で使われません。

そもそも、シュートが止められなければ、キックの機会はありません。

ゴールキーパーのキックといえば、レーゼービームのようなサイドボレーが思い浮かぶと思います。

以下の記事に興味深い記述があります。

以下、記事より引用です。

“GDR(ゴールキーパー・ディストリビューション・レーティング)という指標によって、GKのディストリビューションを評価する試みも存在する。この指標は、「ディストリビューションの何%が、敵陣でのボールポゼッションに繋がったか」を分析した数値となる。同分析では「ロングフィードは俗に五分五分の勝負だと言われるが、成功率は2~3割に過ぎない」ことが判明しており、最も敵陣でのボールポゼッションに繋がりやすいのはアンダーハンドスローでの近い味方へのパス(79%)だった。続いてオーバーハンドスロー(69%)、ショートパス(66%)が続いており、近い味方へのディストリビューションが着実に攻撃機会を増やすことがわかる。”

トッププロで2〜3割の成功率です。

上記の記事を読んで、蹴れることより、投げれることが大事なのではと思います。

余った時間でキックを練習しています。と言われれば、余った時間があるなら一本でもシュート受けた方が良いよ。と伝えたいです。

それほど、育成年代の時期のトレーニングは重要です。

そして、キーパーに余裕がある状態で、止まっている相手にサイドボレーするような動画をよく見かけますね。

実践的ではない、という印象です。

12~15メートル全力でダッシュして、走っている味方に合わせる。試合ではこんな状況です。

息があがっていて、身体に負荷がかかっていても同じ精度で蹴れる。これなら武器と言えます。

キックを練習したいという選手は、何本か連続でダイビングして、走っている味方に合わせるというトレーニングの方が試合に近い状況だと思います。

最近のキック動画をの盛り上がりをみると、

やらなければいけない事とやりたい事が一緒になってるんじゃないかと思ってます。

まとめですが、

東京ゴールキーパースクールは「シュートストップに強いGK」の育成を目指しているので、キックが学びたい選手には向いていないと思います。他のゴールキーパースクールに通うことを強くお勧めします。笑

 

③GKの勉強方法

基本的な理論は「福岡ゴールキーパースクール」で学んでいます。これを見ている福岡のGKは福岡ゴールキーパースクールに通いましょう。日本にここより良いキーパースクールはないと思っています。

福岡を離れた今、どうやって勉強しているかと言えば、ユーチューブだったり、SNSの動画です。

世の中本当に便利になりました。GKに関する動画がどこにでもあります。

観るのはトレーニング動画、もしくは失点シーンです。そして、スクールのトレーニング映像です。

ビッグセーブ集、解説付きの動画あまり観ません。

トレーニング動画を観て、どんなシチュエーションを設定しているか?トレーニングの意図は?どんな要素を鍛えているか?などを想像しながら観ています。

失点シーンの場合は、シチュエーションを分析して、これを改善するトレーニングは?を考えます。

どちらも、考える余地があるから、やっていて楽しいですね。

セーブ集の場合は、止めたという結果があるので、映画の結末を知って観ているような感覚になります。

解説付きの動画もですが、答えを教えてもらったら、考えることをしなくなるので、観ません。

ビッグセーブの背景には、

①プロとしてやっていける身体能力がある

②シチュエーションを分析できる。(分析できるGKコーチが居る)

③そのためのトレーニングメニューが構築出来る。(メニューを構築し、実行出来るGKコーチが居る)

があると思っています。

だから、こんな状況でGKはこんなプレーをした!俺もやってみよう!で出来ることではないんです。もちろん目指すべきものではありますが。

ビッグセーブの為のトレーニングを積んでいるのです。

①は置いとくとして、②、③はどうにか出来ないものかと常々思います。

スクールの現場で答えを教えるということは、選手が②、③を放棄してしまうんじゃないかと思ってしまいます。

最初の話に戻りますが、出来る限り答えを言わないようにしています。考えるヒントは与えますが。

コーチが答えを教えてくれると思えば、考えることをやめて、答えを待つ選手になったらどうしようかと思います。

結局、試合では「自分」で考えて判断してプレーすることが求められるので、トレーニングでも考えることは求めます。

いつかは、次のステップに進む為に選手はスクールを去る時が来ます。その時、GKコーチがいないチームだったら、自分で考えてトレーニングメニューを作るしかありません。だったら今から考える力をつけさせられないか。

よくある例えで、

水が飲みたい人に、井戸を掘ってあげるか、井戸の掘り方を教えてあげるか

みたいなことをよく考えています。

話を戻しますが、最近はスクールのトレーニング映像を主に観ています。

この選手のこのプレーはこうすれば改善出来る、と考えながら観ています。フィードバックの対象はスクール生なので、分析してそれを次のトレーニングに活かします。

プロの映像を観るより、選手の映像の方が勉強になります。

プレイヤーでも、プロの映像より自分のプレー映像の方が勉強になると思います。可能であれば自分のトレーニング映像撮った方が良いです。

本スクールでも、スクールで行ったトレーニング映像は選手に公開しています。そこで、自分で自分のプレーの違和感に気付く。他の選手の良い部分を盗む、コーチの話を思い出す。

こういったことが出来るのが、動画の良さだと思います。

動画を見ることは強制にしていません。動画のプレーについてサッカーノートを書こう!とも言いません。観たい選手が観ればいいというスタンスです。

「動画を観る」と選択した時点で子供の自発的な動作なので、そこに大人が関わるのは、良いことなんてないと思ってます。親御さんにも選手に助言はしないでくださいと伝えています。

選手、GKコーチ共に自分の経験だけで勝負することは出来ないので、動画から考えることは重要なんだなーと思います。

最後に、インスタグラムをしている人がいるなら、

この人がオススメです。メニューをそのままやってもダメです。どこが良いかは考えましょう!笑

また時間があれば書いていきたいと思います!

長々とありがとうございました!

富山

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